コンサルして分かった消費財メーカーの特徴
今回は少しだけマニアックな話です。
僕はコンサルになってから、たまたま消費財メーカーと長くお仕事をしていました。そして、他業界のお客さんと比較してみて、消費財メーカーの特徴が見えてきました。普段目にする商品を作っているメーカーでイメージしやすいので、今回はその話をしようと思います。
ちなみに、消費財とは生活用品のことで、化粧品、バス・トイレタリー用品、食品などです。
普段買っている生活用品の裏で、メーカーがどんなことをしているのか、考えているのか、についてご紹介します。知っていただくことで、商品の見方が少し変わり、買い物や普段使うことがちょっと面白くなるかも知れません。
では、消費財メーカーの特徴を3つに分けて解説します。
目次
1. マーケティング・ブランディングが最重要
1つ目の特徴は、消費財メーカーではマーケティングやブランディングが最も重要視されているということです。他業界に比べ、その費用である広告宣伝費にかなりのお金をかけています。(統計データもあるので、気になる方は調べてみてください。)
マーケティングやブランディング戦略立案は、商品企画の一番最初のステップで行われます。市場調査やブランド・商品コンセプト設定、ターゲット設定などを行います。
僕は専門の人間ではないので詳しくはないのですが、市場調査では、様々な統計的手法を使い、お客さんはどんな人なのか?を具体的に調べます。その後、性別、年齢はもちろん、性格や価値観、生活習慣、人間関係など様々な観点でお客さんを分析し、具体的にこういう人をターゲットに商品を開発する、というのを決めて、ブランド・商品コンセプトやターゲットを設定します。具体的にというのは、想定するお客さんが実際に商品を使っているところをイメージするレベルです。
なぜ消費財メーカーがマーケティングに力を入れているのかというと、消費財はいわゆるBtoBの商品に比べ、お客さんのニーズが不明確だからだと想像します。わざわざメーカーの人に「こんな商品が欲しいです」と伝えてくれる消費者はいないですよね。
ブランディングで言えば、消費財メーカーは、自社や商品イメージの作り方がとても上手いです。設定したブランドコンセプトとターゲット顧客に基づき、どういう広告を打てば最も売上が上がるかを考えます。消費財は消費者の目に直接触れる商品なので、多くの場合、マスメディアがその手段になります。有名女優やモデルを起用したテレビCMをバンバン打ちます。いかに知ってもらうか、いかに良いブランドイメージを持ってもらうかで商品の売り上げが大きく変わるからです。
個人的に人間心理に興味があり、人がどう感じるか、どう思ってもらうかを考えるマーケティングやブランディングはとても面白そうで、奥が深そうだなと感じています。
あと、これらが重要なのはブログも同じで、どんな読者に向けて記事を書くのか?自分はどんな人間だと思われるべきか?をまず具体的にイメージするのが大事なんでしょうね。
2. 流行り廃りが激しい
2つ目の特徴は、商品の流行り廃りが激しい、サイクルが早い点です。これは外的環境、つまり消費者の興味・関心のサイクルが早くなっていることが影響しています。その背景には、ネットの普及によって情報の流通が早まったことが関係しているのでしょう。
商品の流行り廃りの激しさがどう業務に影響しているのかというと、最上流のマーケティングから発売までの期間が短くなっている、ということです。つまり、あらゆる業務を今までよりもスピーディーにこなさなければならなくなってきている、ということになります。他業界でもそうですが、消費財メーカーは特にその傾向が強いです。
また、世界各国のニーズにすぐに対応し発売できるよう、海外に商品開発拠点や工場を建てることが多いです。ただ最近は、日本製品の品質良さが海外から再評価されていて、工場をあえて国内に新設し、「Made in Japan」ブランドの商品を作ろうという流れが来ています。これは品質を良くすることももちろんですが、「Made in Japan」のイメージを持たせるためのブランディング戦略の側面の方が強いのではと考えています。工場新設はとてもお金がかかりますが、それ以上に売れる見通しがあるということです。海外の方の爆買い需要が大きいためです。
3. 自分の意見を持っている方が多い
3つ目は、働いている方々の特徴についてです。消費財メーカーは、世の中に無い新商品をどんどん発売していくという業界なので、受け身ではなく、積極的で自分の意見を持っている方が多い印象です。
誰と話しても、それぞれ皆さん自分の考えを持っています。常に考えておかないとなかなかそういう訳にもいかないので、素晴らしいことだと思います。
ですがその分、全員の意見を聞いて合意形成できる人が少ないと感じています。そこにコンサルの存在価値があるのですが。
ビジネスモデルが人の特徴にも現れるのは面白いですね。
まとめ
以上、消費財メーカーの特徴を3つ挙げてみました。
なお、これらはあくまで僕が感じた特徴ですので、一個人の意見として参考程度に見ていただければと思います。
今回は以上です。
それでは、また。