ゆるふわコンサルタントの日常

設計エンジニアから業務コンサルタントに転職、その経験談や仕事術を綴ります。

若手社会人にオススメする 仕事の成果を上げる本(随時更新)

業務コンサルタントのT(@T14764)です。

今回は若手社会人にオススメのビジネス書を紹介します。

この5月から新入社員のOJTコーチをするのですが、教育カリキュラムの中に、いくつか課題図書を読んでその内容を要約してもらうものがあります。仕事に必要な知識を学んでもらうのはもちろん、物事を抽象化して要約する力を養うことも目的とし、毎年恒例の教育になっています。

このGW中に、何を読んでもらうかざっくり考えないとなーと思っていたのですが、ブログ記事として考える方がモチベーションになるので、こうして記事にしています笑。

教育で対象となる本は、基本的な仕事の考え方・仕事術系から、コンサル技法、専門的な業務の概要などと色々あるのですが、ブログでは、その中からどんな仕事でも使える汎用的な仕事の考え方・方法を学べる本を取り上げようと思います。僕がコンサル初心者の頃に実際に読んだ本ですので、主に若手社会人向けになります。(もちろん、そうでない方にも役立ちますし、全社会人向けに書かれた本も混ざっています)

随時更新形式で、思い出したら追加します。

 

 

目次

 

 

1. マインド・働き方

まずは働くことそのものに影響する、日々持つべきマインドや考え方に関して参考になる本です。

 

コンサル一年目が学ぶこと

 

 

そのものズバリ、コンサル初心者向けの本「コンサル一年目が学ぶこと」。コンサル初心者に限らず、若手社会人に必須の考え方が必要十分にまとまっている本です。まずはこれ1冊読んで実践するだけでも、仕事での成果の出しやすさが全然違います。

結論から話す」「事実を元に話す」「自分の考えを持って情報にあたる」など、基本的で重要なポイントが簡潔に書かれています。今読み返しても「やっぱりこういう考え方をするから成果が上がるんよなぁ」と大事さを再認識できました。

コンサル初心者に「まずどの本を読めば良いですか?」と聞かれたら、僕はこれと答えます。

 

 

天職は寝て待て

 

 

若手の頃というのは、選択肢がたくさんある分、一度はキャリアについて悩むもの。特に仕事にも慣れておらず、挫折することも多いので、尚更そうです。他の仕事のこともよく分からない、でも分からないなりに憧れて隣の芝生が青く見える瞬間は必ずあるでしょう。

「この仕事は自分に向いているのか?」

「もっと他に楽しい仕事があるのではないか?」

そんな疑問が浮かんだ時に読んでもらいたい本です。

本書の主張は、「天職なんてものは後付けで、探すものではなく気づいたらそうなっているものだから、まずは目の前の仕事に打ち込んでみよう」です。

この主張については、僕もその通りと思っています。世の中はやったことがない仕事だらけなので、「天職」を探そうにも、やったことがないのだから、どれが「天職」なのか論理的に特定できません。であれば、少しでも興味のある仕事に飛び込んで、とりあえず一生懸命やってみるべきです。

「サンクコスト」と言って、人間は自分が時間・お金をかけたことを無駄にしたくないという心理が働きます。その結果、一生懸命やったものに自然に興味が向くようになります。つまり、やっているうちに自然と興味が湧き、好きになり、詳しくなり、気付いたら後からそれが「天職」になっている、ということなのだと理解しています。

もちろん、必ずしも目の前の仕事が全て「天職」になる訳ではありません。ですが、いずれにせよ「天職」は選び取るものではなく結果として決まってくるもの、ということを念頭に置き、まずは目の前の仕事に打ち込んでみてもらいたい、という想いでこの本を薦めます。

 

 

2. 問題解決法

仕事とはつまり問題解決すること。コンサルは問題解決支援の専門家なので、その考え方や方法について書かれた以下の本も必読です。

 

イシューからはじめよ

 

 

仕事における本質的なことが書かれた本です。

「イシュー」=「論点」なので、「イシューから始めよ」とはつまり、「何かを検討するとき、まずは論点は明確にすべし」ということです。

論点とは「議論すべき中心の問題点」です。何かを検討する際、往々にして論点を明確にしないままぬるっと進むことが多く、結論が出ず無駄な時間となってしまう、というのが著者の問題意識です。そうならないために、まずは論点を明確にし、それに対する仮説を立てた上で必要な作業を始めれば、結論に辿り着くまでの時間は100分の1(!)にできる、というのが主旨です。これは「フェルミ推定」で有名な、数学・物理学者のエンリコ・フェルミも実践していた考え方です。

この本の根底の思想は、「最小限の努力で最大限の成果を出す」ことだと僕は認識しています。つまり、究極の面倒くさがりのためのビジネス書です。

「イシュー」「論点」というと少し小難しそうな印象を受けますが、初めて触れる人にも取っ付きやすいように解説されています。また、前述したフェルミの言葉のように偉人の言葉も引用されていて、僕は地味に好きです。

 

 

メタ思考トレーニン

 

 

続いては、論点を考えることと同様に重要な、「メタ思考」の方法を解説した本をオススメに挙げます。

「メタ思考」とは、「抽象化する思考法」のことです。「メタ認知」という言葉がありますが、それと同じ「メタ」です。

物事を俯瞰して捉え、「要するに」「まとめると」どういうことなのかを考えるための方法です。細かな枝葉を削ぎ落として、本質を捉える思考と言っても良いです。

「Why型思考のトレーニング」「アナロジー思考のトレーニング」の2本立てで書かれています。それぞれ、なぜその思考法が大事なのか、どのように考えるのか、実践するとどんな感じなのか、が分かります。

コンサルはたとえ若手であっても、お客さんの管理職以上の方と議論する必要があります。管理職以上の方は実務を行うわけではなく、マネジメントがその仕事の中心です。これは言い換えると、彼らは皆、意識的、無意識問わず「メタ思考」をしているということです。その方々と同じ土俵で話す必要があるので、コンサルはこの思考法を必ず身に付けておく必要があります。また、相手を管理職以上の上司に置き換えると、若手社会人にも必須の思考法です。

個人的に「メタ思考」は難易度が高いと感じています。若手であるほど細かな作業を任せられることが多く、どうしても自分やその作業を俯瞰して考えるのが難しいからです。ですので、この本はつまづく度に何度も読み返してもらいたいです。

 

ここで紹介した2冊は、今でも定期的に読み返します。こういった思考法に関する本は、余程の天才でない限り1度読んだだけでは身に付かず、事あるごとに何度も読み返して初めて身に付くものと思っています。脳みその使い方を変えるわけなので、そんなすぐに身に付くはずもないですよね。

 

 

3. 資料作成術

3つ目は、実際に手を動かす時に必要な考え方・テクニックを学べる本です。若手の方にとっては、最も読み返すことになる本でしょう。

 

理科系の作文技術

 

 

「理科系の」と銘打ってはいますが、理科系に限らず、あらゆる文章を構造的・論理的に書く方法を指南する本です。大学時代、論文を書くために担当教官から教えてもらいました。

伝わる文章とするために、どう考え、どういう構造で書けば良いのか、が明確になります。詳しくは読んでいただきたいですが、「目的規定分を考える」「序論、本論、結論の順に書く」など、小手先のテクニックではなく、人に伝わる文章を書くためにどう考えるべきかが分かります。

とかく慣れていない人は、いきなり何となく資料を作り始めてしまいますが、そうではなく、まずはこの本に書かれていることを実践することが大切です。1981年に発売された本ですが、本質的なことが書かれており、今読んでも全く古くありません。一家に一冊、デスクに一冊置いておきたい本です。

 

 

ロジカル・プレゼンテーション

 

 

もう一つ、こちらも資料作成前に読んでおきたい本です。「理科系の作文技術」があらゆる文章の大枠や書き方の指南書だとすると、こちらはプレゼン資料の書き方に特化したものです。

各スライドをどう作れば人に読まれ、伝わる資料になるか、具体的なアドバイスが理由とともに書かれています。割とテクニック寄りの内容が書かれているので、即効性があります。例えば、「伝えたいメッセージを上に、その下にイメージを書く」「左上から右下に視線が流れるようにイメージを配置する」など。実践的ですよね?

僕は今でも、基本この本で書かれている通りに資料を作っています。

プレゼン資料作成術以外にも、その前段に必要な論理思考や仮説思考、会議設計方法などについても書かれています。プレゼンや提案をすることが多い方は、この本だけでも充分効果が得られるでしょう。

 

 

最後に

以上、特に若手社会人に役立つ6冊を紹介しました。冒頭にも書いた通り、汎用的な内容なので、若手の方以外でも、復習がてら読んでいただけるものを選んだつもりです。

今後、新入社員にオススメしてみて、反応を伺ってみたいと思います。教えながら、これも必要な本だなと思ったら、本記事を随時アップデートしていきます。

では、また。