ゆるふわコンサルタントの日常

設計エンジニアから業務コンサルタントに転職、その経験談や仕事術を綴ります。

仕事以外でも役立つプロジェクトマネジメント手法4選

業務コンサルタントのT(@T14764)です。

 

今回は、普段からよく使っているプロジェクトマネジメント手法をご紹介します。全部で10種類くらいあるのですが、その中でも日常的に仕事でよく使う4種類に絞って、その概要や効果を解説し、実践例をご紹介します。「プロジェクト」という名前が付いてはいますが、公私問わず役立つ汎用的な手法です。

全体像は以下の記事に分かりやすくまとまっていますので、参考にしていただければと思います。

 

products.sint.co.jp

 

では、よく使う順に紹介していきます。

 

 

目次

 

1. 課題管理

1つ目は、課題管理手法。プロジェクトを進める中で日々発生する課題を管理するものです。課題管理に方法があるのかと思われるかも知れませんが、あります。課題とは何か、どのように管理すべきか、についての手法を知らないと、正しく管理できないからです。

よくある疑問が、「課題とTo-Doは何が違うのか?」です。答えとしては、「課題はふわっとしていて、次に何をすべきかが不明確なもの。To-Doはタスクであり、何をすべきかが明確なもの。」です。つまり、課題の対策がTo-Doです。例えば、「ブログを書く時間を確保する」というのが課題で、「毎朝30分早く起きてブログを書く」がTo-Doです。

あとよくある勘違いが、課題が発生することを悪いことと捉えてしまうことです。実際には、課題が発生するということはプロジェクトが進んでいる証であり良いことなのです。

実務的には、課題管理表を作って、そこに日々発生する課題を記載していきます。対応漏れ防止のために、まずは担当者といつまでに対策を考えるのかの期限を明確にすることが重要です。また、プロジェクト関係者と共有する必要があるので、誰にでも分かる表現で書く必要があります。これが意外に難しく、ある程度実践や慣れが必要です。

日常生活で使う場合は、流石に課題管理表を作ることまでは不要ですが、自身の課題を認識するのがまず第一歩です。その後、課題をTo-Doにまで落とし込んで、対策と期限を具体化するところまで出来れば、課題管理の本領が発揮出来ると思います。

 

 

2. スケジュール管理

次によく使うのが、スケジュール管理手法です。当初立てたプロジェクトタスクの実行計画に対し、実績確認と、遅れている場合にその対策を考えるものです。

スケジュール通りであれば良いのですが、プロジェクトというのは関係者も多いので、往々にして遅れがちです。ポイントは、まず計画に対して予定通りなのか、遅れているのかを見える化すること、遅れている場合はその理由・原因を分析し、正しい対策を打つことです。遅れたまま放置するのが一番最悪です。対策を立てた後、確実に進めるため、それを課題やリスクとして管理することもあります。また、計画自体を見直すこともあります。

ブログを書くことを例にすると、「毎日1記事書く」という計画があったとして、実績として「今日は書けなかった」場合に、対策は「週末に1記事分余分に書く」だったり、「2日で1記事書く計画に見直す」となります。

スケジュール管理の前提は、計画をきちんと立てられていることです。きちんとと言うのは、タスクの完了条件や、各タスク間の関連性を明確にした計画を立てておくということです。そうしないと、実際には終わっていないのにふわっとタスクが完了したことになり、後から実は終わっていないことが分かり大きく手戻りすることになります。

日常生活でも、計画を伴ったものであれば何にでも使えます。例えば、資格の勉強、デート、旅行などなど。遅れた場合、それを放置せずに振り返って、なんで遅れたのか?どうすれば遅れを取り戻せるか、遅れないか?と自問自答できれば、しめたものです。

 

 

3. リスク管理

続いてはリスク管理。将来発生するかも知れないリスクを特定し、その発生確率や影響を評価した上で、それに応じた対策を講じるものです。リスクを分かりやすく言うと、日々の心配事です。

リスク対策は大きく4つに別れます。回避、低減、受容、移転です。それぞれ簡単に説明しますと、

  • 回避:リスクを伴う活動自体を中止し、リスクを避ける
  • 低減:リスクを減らしたり、分散したりする
  • 受容:リスクをそのまま受け入れる
  • 移転:リスクを他に転化し、第三者が補填する

どの対策を取るかは、リスク発生確率と発生時の影響度から決めます。発生確率や影響度は、時期によって変わるので、定期的に見直して対策を立て直すことがポイントです。

4つの対策方針と、リスクの評価方法を知っていれば、日常生活でも有効です。

例えば独立しようか迷っている人がいるとします。その人の心配事の1つに、「独立しても食べて行けるだろうか?」があるでしょう。つまり、「独立すると、生活に十分な利益を得られないかも知れない」ことがリスクとしてあるということです。

このリスクについて発生確率と影響度を評価します。発生確率は例えば、同業で独立している人の廃業確率を調べて評価します。影響度は、生活できなくなる訳ですから「大」ですね。仮に廃業確率が高いとすると、発生確率、影響度ともに大きいので、何も対策を講じない場合、恐らく失敗するでしょう。そうなると、4つの対策のうち、「受容」はダメで、それ以外の3つでどの対策を取るのか考えます。「回避」だったら「独立を諦める」になりますし、「低減」だったら「事業の軸をずらす」「事業範囲を拡大する」「複数の事業を手がける」などになります。「移転」だったら、「知り合いから出資を受ける」などになるでしょう。

こんな感じで、リスク管理は日常生活にも使えます。リスク管理の凄いところは、もやっとした心配事をそのままにせず、論理的に分析することで適切な対策に繋げることができ、最悪の結果を防げることです。「彼女に振られるかも知れない」「結婚できないかも知れない」など、世の中はリスクに溢れていますが、転ばぬ先の杖としてリスク管理スキルを役立てていただければと思います。

 

4. スコープ管理

4つ目は、スコープの管理。スコープの語源は、ギリシャ語の「skopion」だそうで、「見る」という意味です。つまり、スコープ=見る=対象範囲のことです。

業務改革プロジェクトのスコープというと、改革対象とする拠点、業務、部署、期間などを指します。そのスコープを管理するということは、きちんと範囲を区切り、そこからはみ出ないようにしていくことになります。

なぜこの手法をよく使うかというと、プロジェクトを進めていくと、スコープが広がりがちになるからです。例えば、「国内だけのつもりでスタートしたが、海外も合わせて考えたい」「あの業務も変えたい」などです。そうなることを見越して、プロジェクトスタート時にきちんとスコープを明確にし、メンバーで合意しておくことが重要です。でないと、自社にとっては頂いたお金以上にサービスを提供しなければいけなくなり、お客さんにとっては当初考えていたシナリオ通りに進まない可能性が高くなります。

もちろん、日常生活で役立つ場面もあります。恋人同士での大阪旅行を例にします(僕が大阪人なので)。心斎橋(グリコのあるところ)と難波(吉本のグランド花月があるところ)周辺を観光し、「りくろーおじさんのチーズケーキ」をお土産に買って帰る計画だったとします。ところが、いざ行ってみると道端で話しかけてくる店員さんが面白くてついその店に入ってしまったり、良い匂いに誘われてつい「551の豚まん」をお土産に買ってしまったりしてしまいました。つまり、元々の観光地やお土産の計画からスコープが広がってしまったということです。
まあ例は旅行なので実害は少ないですが笑、これがたくさんの関係者が関わるプロジェクトだと、計画以上の仕事をしてしまったり赤字になってしまったりということになります。

例がちょっと強引だったかも知れませんが、計画のスコープを明確にして進めることで、初めて予算や計画を守ることができます。旅行ではまだしも、プロジェクトでは意外におざなりにする人が多いので参考にして下さい。

 

 

まとめ

よく使う順に、プロジェクトマネジメント手法の概要と効果、実践例をご紹介しました。

  1. 課題管理
  2. スケジュール管理
  3. リスク管理
  4. スコープ管理

日常生活でも活用できるので、試してみて下さい。

 

最後に・・・これから1ヶ月間は、英語の勉強を優先するので、ブログの更新頻度が下がるかも知れません。・・・必ず戻ってくるので、忘れないで下さい!笑

 

では、また次回。