ゆるふわコンサルタントの日常

設計エンジニアから業務コンサルタントに転職、その経験談や仕事術を綴ります。

お客さんに怒られた話:謝罪の極意とコンサルの難しさ

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業務コンサルタントのT(@T14764)です。

 

これまでの記事では割と一般論的な話をしていたのですが、今回は、最近、実際に仕事で起こった出来事の話をします。

相手を怒らせてしまった場合にどう振る舞うべきか、またコンサル特有の難しさとそれにどう対応していくべきかを考えるきっかけになりました。

 

目次

 

ベテランコンサルがお客さんから直接お叱りを受けた

コンサルの仕事は基本的にプロジェクトとして進むので、各プロジェクトにはいわゆるプロマネと呼ばれる方がいます。今回の出来事は、そのプロマネに対し直接お客さんから苦情が伝えられた話です。プロマネは、コンサルとしてはベテランの方です。

お客さんの苦情は、打合せ資料に記載されていた文言について寄せられました。資料の文言を見て、その方は自身の本業のやり方が悪くプロジェクトが進んでいないと認識し、「専門知識を持たないあなた方になぜそこまで言われないといけないのか」と直接プロマネへ苦情をおっしゃりました。実際には、我々はそう言っておらず、結局お客さんが誤って認識されていたことは後から分かりました。本業のやり方ではなく、分析・対策の検討手順に対する知見が足りていないためプロジェクトが進んでいないのでは、というのが我々からの指摘でした。初めてプロマネが直接怒られているところを見たので驚きました。

さらには、その件で感情的になられていたこともあり、怒りの矛先はそこから派生し、工数が無いこともその一因という分析をしている割には、打合せ後に宿題として我々に作業を依頼しているが、分析結果と矛盾しているではないか。こちらの作業工数のことももっと考えてくれ」という意見も合わせて出ました。

つまりは、その方の中で、プロジェクト中ずっとくすぶっていた不満が、上記出来事を発端に噴出した形だと思います。

 

謝罪の極意を学んだ

打合せ中に怒られたのですが、プロマネはまず、自らその場ですぐに誠心誠意謝罪していました。直前まで、議論のまとめや参加メンバーに対する宿題の確認をサクサクやっていたにも関わらず、その勢いを急に止めての謝罪だったので、切り替えが素早いなと感心しました

打合せはそれで終了したのですが、まだその方の中にしこりが残っているのを察知したのか、終了後すぐにその方を追いかけて、再度、直接謝罪に行っていました。その結果、誤解も解け、その方の怒りも収まり、「次からは表現に注意して下さい」というご意見を頂きつつ、一件落着しました。

僕はまだプロマネ未経験ですし、あまり直接お客さんから怒られた経験は無いですが、今回の件で「謝罪は、かくあるべし」という極意の様なものを学んだ気がします。具体的には、今後の関係性にヒビを入れず、プロジェクトへの影響も最小化するため、

  • 怒られた場合は、まずはその場で誠心誠意謝罪する
  • その後、時間を置かずに相手と自分1対1の状態で直接謝罪する

の2点がとても重要だと感じました。(もちろん、プロジェクト云々抜きにして、人としての謝罪であったことは大前提です。)ここまで徹底した謝罪は、出来そうでなかなか出来ることでは無い気がしています。2段構えですからね。プロマネの誠意が見て取れました。

もし怒りが収まっていなかったら、プロジェクトの反体勢力となられていた可能性があり、そうなると成功確率がグッと下がってしまいます。そう考えると、「すぐに、誠心誠意、直接、謝罪すること」の効果の大きさ(マイナスの小ささ)を実感しました。謝罪しているプロマネの横で、行動早くて潔いな、見習わないとな、と一人感心していました。簡単そうに見えて、なかなか出来ることではないと思います。

謝罪しないといけない場面は、人生で常に付きまとうものですし、自分の非を認めることに気後れするからこそ、今回の様な誠意のある行動を取れば、失いかけた信頼を回復させることが出来るのだと思います。更にはそのおかげで、謝罪前よりもさらに強固な信頼関係を構築することもできます。仕事に限らず、プライベートでも是非活用して、自分の周りを平和にしておきたいと思います笑。

 

コンサルの難しさを感じた

コンサルは、お客さんにとって良くないことは、「良くない」と伝えることを求められる立場です。一方で今回の様に、言い方を気を付けないとお叱りを受ける場合もあります。この相反することを両立しないといけないところに、コンサルの難しさがあるなと感じました。相手を怒らせずに、いかに相手の欠点を指摘するか。さらにそれが立場が上のお客さんなら、なおのこと難しいです。かと言って、言いなりになっていては何の存在意義もありません。

この難しさに対する現時点の解決策は、結局は、まず信頼を得た上で、伝える相手、タイミング、方法(言葉や表情、言い方)に細心の注意を払い、勇気を持って伝えるしかないのだ、ということです。一旦相手の話を聞いた上で、柔らかな言葉と表情でやんわりと伝える、がベストなのかなと。

 

最後に

今回の件を、面倒臭いお客さんだと片付けてしまえばそれで終わりです。ですが、それでは何の解決にもなっていませんし、同様のことが起こった時にまた無視して進めてしまうと、いつかは信頼関係が崩れることになってしまいます。

今回の様に、お客さんの不満が噴出してくることはよくあります。特に、プロジェクトが進み、現場の担当者の方と打合せする様になってから起こりがちです。現実をよく知っていて、またこれまでの仕事の進め方があるので、トップダウンでの改革実行に反発されるのです。(誰だって、仕事のやり方を変えるのは多少なりとも抵抗がありますよね。)そういう時は、やんわり柔らかめに悪いところを指摘し解決策を伝え、万が一怒りを買ってしまった場合はすぐに謝罪しつつ、何とか説得する、そういう愚直な行動が必要なのかなというのが現時点の結論です。まあ、相手を変えるのは大変難しいのですが・・・。

 

今回は以上です。謝罪しなければならない時、あるいは誰かの改善点を指摘しなければならない時の参考になれば幸いです。

 

次回は、ちょうど半期の目標設定時期なので、僕が今の会社で今後やりたいことを考えてみたいと思います。(やりたいことを考えないといけない時点でどうなん、ですが、そこは触れないで下さい笑)

 

では、また。