ゆるふわコンサルタントの日常

設計エンジニアから業務コンサルタントに転職、その経験談や仕事術を綴ります。

コンサルの存在価値

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業務コンサルタントのT(@T14764)です。

コンサルは高いお金を頂いてお客さんにサービスを提供しています。人そのものが商品であり非定型な業務のため、提供しているサービス、価値とは何なのかが分かりづらいです。お客さんが直接「あなたたちコンサルの価値は〇〇ですよ。」なんて教えてくれる訳もありません。

それでもプロジェクトが終わる頃には、お客さんから「ありがとう!」や「また次もお願いします」と言っていただけることが多いです。ということは、お客さんはコンサルに何かしらの存在価値を見出してくれている訳です。(当たり前ですが)

それは一体何なのか?これは若手コンサルなら何度も考える問いです。僕も最初の1~2年はよく分からず、自問自答していました。

そして、数年の経験を経て、これがコンサルの存在価値なのだろう、というのが分かってきたので、今回はその内容を共有します。

 

 

目次

 

 

他社のことを知っている

まずはこれが一番の存在価値だと考えています。様々な会社に入り込んで直接課題を伺う事は、他の人ではできないからです。

実際、様々なお客さんから毎回必ずと言って良いほど他社はどうしているかを聞かれます。自社が他社に比べて進んでいるのか遅れているのか、は自社では分からないものです。

ただし、どのお客さんも他社固有の問題を知りたい訳ではありません。もう少し抽象化した事例を知ることで、自社でも同様の原因で問題が起こりそうだ、というのを事前に予測しておきたい、という考えだと思います。

また、実績を知りたいという意図もあります。このコンサルに頼んで、本当に会社が良くなるのか?が気になるからです。

ですので、僕たちコンサルとしては、各お客さんのプロジェクトが終わった後、そこで得られた知見を抽象化してまとめておくことが、次の他社提案に向けてとても大事になります。

 

理想像を知っている

どう変えれば良いかを知っていることも価値です。

お客さんは、何となく将来こうなれば良いなというイメージを持っていますが、それが本当に正しいのか、これまで経験が無いので自信を持てない状態です。コンサルは、これまでの成功実績を元に理想像はこうです、と実績ベースで語れます。そうすると、お客さんは安心して変革を進められます。背中を押すことができる、というのがコンサルの価値だということです。

また、理想像を知っているということは、現状の課題も分かるということです。正しく課題が分かれば、変革は半分成功したようなものです。

注意点は、理想像が机上の空論にならないようにすることです。ちゃんと業務運用に繋がってこそなので、押し付けではなく、しっかりと現場の意見を聞く必要があります。ITシステムも導入する場合は、ある程度の技術的な知識も求められます。そのシステムで業務を実現できるのか、きちんと判断する必要があるためです。

 

会社全体の現状を把握している

これも他の人には真似できないはずです。コンサルの最初のステップとしては、正確な現状把握が必須なので、様々な部署の意見を聞く必要があります。

対象は、経営者だけではなく、現場担当者の意見も聞くことが重要です。前述の話に関連しますが、現場での業務運用に繋がってこその変革だからです。これにより、その会社の現状を、横軸(部署横断)と縦軸(経営者から現場担当者まで)両面から把握することができます。

横軸でのある程度の現状把握は社長でも可能でしょう。ある程度というのは、現場担当者の生の声ではなく、管理職を通して集まった二次情報、三次情報という意味です。ただ社長と言えど、縦軸を網羅した現状把握は、時間的な制約からさすがに難しいでしょう。

ですので、少し大袈裟に言うと、社長でも把握不可能な会社全体の真の現状を把握していることが、コンサルの価値だということです。

 

まとめ

最後にまとめます。

コンサルの存在価値は、以下の3つがあると考えています。

  • 他社のことを知っている
  • 理想像を知っている
  • 会社全体の現状を把握している

もちろん、論理的思考や仮説思考、ファシリテーションなどの汎用的なスキルを持っていることも価値かも知れませんが、最近はコンサルでなくとも身に付けている方が増えてきており、コンサル特有の価値、とまでは言えなくなってきています。

つまり上記3つは、多くの会社、様々な部署の方と仕事をするコンサルでないと出来ないことであり、だからこそ、それがお客さんが求める価値になると考えています。

 

以上、今日はここまでです。

また次回。